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2018/8/24 (金)
骨頭切除
先日知り合いの病院にて骨頭切除を行いました。
画像診断専門医に読影をお願いしたそうで、若いときから骨頭壊死を起こしてたが、なんとか現在の10才近くまで症状を出さずにきたようです。
オペ時はやはり骨頭がグズグズでした。
この1ヶ月の内に骨頭切除の手術が5件くらい連続で依頼があり、なんだか不思議な感覚です。
2018/8/10 (金)
会陰ヘルニア
先日は知り合いの病院にて会陰ヘルニアの手術をしてきました。
これも雌犬の乳腺腫瘍と同様、アメリカではほとんどありません。というのも、ほとんどの犬が去勢避妊手術を生後数ヶ月で行ってしまうからです。
あまりにも早期に行うのでどうかと思う事もあるのですが、とりあえず会陰ヘルニアや乳腺腫瘍などの性ホルモンが関連する病気が少ないのは確かです。
2018/8/4 (土)
骨折備忘録として
獣医領域に本格的にロッキングプレートが導入されてきたのがこの5年ちょいほど。人ではかなり前から使用されていたが、使いたくてもサイズが合わない。やっと国内生産または海外から正式に認可が下りた器具がこの2-3年で増えました。
私も初期の頃は2.0mmのタイプを輸入して使用してました。それでも超がつく小型犬では大きすぎです。通常骨折部の横幅の1/3までのネジ幅が使用可能となりますが、1cmもある大型犬と3.5mmなんて極小幅の骨では同じ1/3幅でも強度も治癒速度も違います。
私が通常使用しているロッキングプレートはタイタンロック、LCP、pax、SOP 、ALPSを使用しています。
極論してしまえば、中型以上ならどれでも大丈夫なのですが、小型犬や超小型犬ではそうもいきません。材質がチタン(金属アレルギーを起こす可能性がほとんど無い、親和性が大きいなど利点が多い)かステンレスかで強度が全く違います。余談ですが、あるメーカーは海外で人で使用されるステンレス製のプレートを出している国と出していない国があります。基本はチタンですが、費用的な問題で安いステンレス製を卸している国があるようです。
強度が弱ければ厚みを増す必要があります。厚くなると皮膚を圧迫します。
ある程度は○kgの子には△mmのネジとか基準があるのですが、太ってる痩せてる、飛び跳ねるのか大人しいのか、折れている骨の場所や、若いのかとしなのか等々判断が必要でプレートの性能で使い分けが必要だと思っています。
特に2.5kg〜3kgの子はどれにするか考えます。
どうしてもロッキングプレートは費用がかかります。ピンとワイヤーなどに比べると雲泥の差になってしまいます。猫は犬に比べて骨質が薄いので骨折部によりますが治癒結果と費用対効果を考えるとピンとワイヤーを使用した方が良いような気がします(経験が長いから?)。5年後10年後は分かりませんが。
2018/8/1 (水)
骨折の電話
またまた小型犬(トイプードル)の骨折を知り合いの病院にて手術してました。
3kgほどで前足の幅が5mmほど、プレートの材質やネジ幅で判断に迷う感じでした。
時々「骨折の手術はいくらですか?」といきなり電話できかれるのですが、正直答えようがありません。
犬種、年齢、活動性、全身状態、骨折時期、骨折部位、骨折の状態(レントゲンが必要)、その他色々考慮しなくてはなりません。
例えば車が故障した場合、故障部位の修理もしくは新品に取り替えで概算はある程度出せるとは思います。しかし生体ではそうはいきません。
他の病気ももちろんですが、あくまでも患者そのものの治癒する力を補う・補助するのが主であり、骨折したから新しい骨に取り替えるわけではなく、くっつこうとするのをあくまでも助けるということです。
当院に電話される(まず金額を聞いてくる)理由として思いつくことは、
・かかりつけ医で手術は行うが高額だったので他の病院での金額も聞いてみたい。
・かかりつけ医では手術は行わないので他に行ってくれと言われた。
・かかりつけ医では手術を行わないので高度医療や大学などを紹介されたが、想像よりも高額なので躊躇した。
てな感じでしょうか。
人では健康保険でかなりの部分を補填され、日本全国一律なのとは人と動物の治療での大きな違いです。さらに動物では大学病院や高度医療などの2次病院もあくまで営利を目的にした組織であり、設備やマンパワーなどあらゆる面で費用がかかり、利益を出すためにはある程度治療費が高額になっているのは仕方がないことだと思います。
私に内視鏡やら骨折などの手術を依頼してくる先生方はその辺を考慮したりして、少しでも飼い主さんの時間的、移動距離的、費用的負担を減らせるよう努力されているのだと思います。
色んな病院に電話する前にかかりつけ医とよく相談されると良いかと思います。