院長ブログ/2021-11
2021/11/28 (日)
角膜潰瘍
重度の角膜潰瘍です。横から見ると角膜中心の黒い部分が突出してしまいデスメ膜瘤という状態になっています。
初期の状態が分からないのですが、この子はエリザベスカラーを装着してすでに数ヶ月が経過し、徐々に悪化した状態で診させていただきました。
エコーで眼球内を確認したところ網膜剥離等を起こしており、眼内炎も重度であり視力の回復は望めない状態です。飼い主様とご相談の結果、視力はないにしても眼球は残してエリザベスカラーを外した生活に戻したいとのこと。
そこで突出した部分を何とかするために手術を行いました。
3週間後の抜糸後。突出は改善しています。
更に1ヶ月後。炎症も減り、潰瘍も落ち着き、気にする事が無くなりエリザベスからーをしなくても大丈夫な状態になりました。
この状態で涙の量を測定したところほとんど出ていませんでした。
恐らくですが、元々は重度のドライアイで、そこに角膜に傷を作り、涙が無いため角膜の修復ができず、角膜穿孔から眼内炎へと進行してしまったのではないでしょうか。
ドライアイでは角膜の色素沈着が定番ですが、今回のように最悪のケースもあるので注意が必要です。
下の写真はドライアイの定番状態で充血&目やにです。
2021/11/26 (金)
神経科セミナー
昨夜は神経科のセミナーでした。夜泣き、昼夜逆転等々腫瘍性ではなく発症している場合の投薬などについて。
2021/11/10 (水)
膀胱・尿道結石
寒くなってくると膀胱結石、尿道結石のわんちゃんネコちゃんが症状を出して来院してきます。
一般の方はお腹を開ける膀胱切開よりもペニスの所にある尿道切開の方が簡単に思うかも知れませんが、出血、術後狭窄、入院日数等々デメリットが盛りだくさんなので、できることなら尿道切開はせずに膀胱切開のみで結石を取りたいと獣医師は考えます。
上の写真の様に尿道ペニス部分に結石が詰まると通常のカテーテルでは結石を膀胱まで押し戻すことができず尿道切開を行う必要があります。
昔は私もどうしても結石を戻せない場合は尿道切開を行っていましたが、現在は尿道の結石を膀胱まで押し戻せないことがほとんどありません。というか全くないです。
教科書には載っていませんが、骨折で使う器具で何とか戻せます。