停留睾丸(玉が一つない・・
通常生後半年程度で精巣は陰嚢に下降します。飼い主さんが気がついている場合も気がつかない場合もあります。
将来年齢を重ねるうちに下降しなかった精巣が腫瘍になる可能性が高くなるので摘出手術が必要です。
他院でお腹の中の精巣が見つけられずにいた猫ちゃんが、こちらに引っ越してきたのを期にもう一度探して欲しいと飼い主さんの希望により手術をおこない、やはりお腹の中にありました。当院でも相当数の手術を行ってきました。一応見つからない可能性もあることを術前に説明はいたしますが、実際見つけられなかったことはありません。
犬の精巣腫瘍
発生頻度は全腫瘍の5〜10%を占めると言われています。一方猫の精巣腫瘍は希とされています。
発生頻度が高く、臨床上重要なものとしてセルトリ細胞腫、間細胞腫、セミノーマがあげられます。文献では陰嚢に下降しなかった精巣が上記腫瘍になる確率が下降した精巣に比べて13倍とも言われています。
左の睾丸が正常、右の睾丸が異常に大きくなった睾丸です。この大きい方がお腹の中にあり、さらにねじれてうっ血した状態でした。このまま放置していれば数日で腐ってしまった可能性があります。