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緑内障

緑内障

緑内障とは眼内圧の異常な上昇により網膜細胞等が障害を受ける病態を示した言葉です。
要するに眼球内部の圧力が増えてしまった状態のことです。 

考えられる原因はさまざまで、先天性、続発性、原発性、続発性、閉塞隅角、開放隅角等分類がされています。

ここでは簡単に説明します。一方通行の入り口と出口がある風船を考えてください。

入り口から一定量の水が入ってきて、出口から一定量の水が出ている状態で、風船内部の圧力が一定に保たれているとします。出口から出る水の量を一定にして入ってくる水の量で考えると、入り口から水が入ってこないと内部の圧力が減少してしぼんでしまうし(眼球内の水を作る組織が無くなってしまった状態)、いっぱい入ってくれば、圧力が上がって最終的に破裂してしまいます。
同様に入ってくる水の量を一定にして、出口からの水の出る量を考えると、出口が細くなれば風船内部に水がどんどん貯まって圧力が上がり、出口が大きくなるとどんどん水が出て行ってしまい、風船がしぼんでしまいます(これは眼球に外傷等で大きな穴が開いてしまった状態)。

これらは理論上のことです。実際の緑内障においては水をいっぱい作りすぎてなるということはほとんどありません。
ですから、入り口からの水の量が問題ではなく、出口の問題がほとんどです。
出口といっても、眼球内で水を作った場所から眼球内からの出口までの道のりで通行止めをされたり(水晶体脱臼等)、出口そのものが閉じてしまっていたり(閉塞隅角緑内障)、出口は開いているのだけどその中での吸収がうまくいかない(開放隅角緑内障)など原因も様々です。人で昔は分からなかったことですが、正常な眼圧なのに、眼球内部の組織がその圧力にすら耐えられないような正常眼圧緑内障もあります。

犬における緑内障では開放隅角のタイプは少ないです。基本的には閉塞隅角緑内障で続発性(二次的)緑内障がほとんどです。
犬における緑内障の臨床症状は瞳孔の拡大、流涙、疼痛、第3眼瞼の突出、強膜の充血、角膜浮腫などがありますが、、これらは緑内障に特異的な症状ではないため、注意が必要です。
というのも、犬では二次的な緑内障もかなりあるからです。例えば水晶体の脱臼やブドウ膜炎といわれる眼内の炎症から続発して緑内障に移行したものです。

緑内障を治療しなければまず神経系が障害され(急性では24時間以内)角膜の内側の層に亀裂がは入り角膜浮腫から潰瘍へ進み最終的には圧力に耐えきれなくなり眼球そのものが崩壊してしまいます。

病院に飼い主さんがうちの犬が緑内障ですと言って連れて来る場合は眼球がかなり大きくなっていることが多く、この時点ですでに視力喪失して、病態としてはかなり進んでいることがほとんどです。
犬や猫はしゃべることができないので、どうしても診断そして治療が遅くないます。
ではどうしたらいいか?やはり、定期的に動物病院で検診してもらったり、小さな変化を見逃さないように注意することが大事です。

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この治療機器は、ハルどうぶつ病院で使用している手持ちの眼圧計です。

接触型(眼球に接触)なのですが、以前、非接触型(風圧による)の眼圧計を使用していましたが、動物では眼球を固定してくれないのでなかなか難しく、人でも測定時に風が来るのが分かっていても、少し驚くくらいですから動物ではなおさらです。
この眼圧計は数回の測定結果を平均化して誤差も%で表示し、手持ちですので、動物では使い勝手のいい機器です。
定期的に検査することで眼圧異常の早期発見が可能になります。

強膜の充血

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デスメ膜破裂

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慢性(長期経過)角膜浮腫、角膜炎

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この犬は当初眼圧が40mgHg(正常12~16)以上に上がり、直ぐにレーザーによる処置で2ヶ月後には点眼薬なしでも眼圧12mgHgを維持しております。

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まずは点眼薬および内服薬による治療から始めますが、病態の進行している場合が多いので反応が悪いことが多々あります。
その場合は早期からレーザーによる処置も必要です。
視力を維持することが一番大事なことなのですが、診察時にはすでに視力を喪失し回復が望めない場合には、眼球そのものの維持を目的に点眼や眼球内に薬品を注入したり、あるいは眼球が維持できなくなり崩壊するようであれば眼球の摘出も考慮しなければなりません。

動物は自分で点眼したり薬を飲んだりすることはできません、どうしても飼い主さんの手助けが必要です。
ここが人と動物の治療における大きな違いであり、大変なところです。

上記の画像は、レーザーでCyclophotocoagulationを行うことで眼圧を下げる外科的処置を行っているところです。
以前行っていた結膜に穴を開け、眼房水の出口を作る手術に比べ侵襲性がかなり少ないのが利点です。  
また、片側に原発性の緑内障を起こした犬では反対側にも緑内障を起こす可能性が非常に高いです。研究報告は少ないですが、反対の眼が眼圧上昇を起こす前に予防として点眼をすることで、緑内障の発症を遅らせたり、止めることができると報告もされています。

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