角膜腫瘍①
角膜潰瘍①
外科的方法としては人にはない第三眼瞼(瞬膜)という膜(内側から出てくる膜)を使い、その内側面をはがして角膜潰瘍部を覆うようにして、修復させます。
これは非常に重度の角膜潰瘍になっている猫です。
角膜に血管が360°進入しており、角膜中央部分の2/3が透明性を失い変性している状態です。
眼球内の構造が全く観察でない状態であり、点眼やコンタクトによる角膜保護で治癒できるレベルではありませんので、外科的に治療を行いました。
抜糸後1週間くらいの写真です。
まだ角膜欠損が分かりますが、四方から進入していた血管が大分減少して周辺部分の透明性が戻ってきて、虹彩が見えてきました。
この症例も猫です。
元々ヘルペスウイルスの感染があり、このような痛々しい角膜潰瘍を繰り返していました。
1ヶ月ほどでここまで回復しました。
この後も継続治療が必要です。
難治性角膜潰瘍
左の写真は角膜上皮ガ剥がれ、潰瘍部に血管がかなり侵入して赤く見えます(パンヌス)。問題は角膜の一番上の膜(角膜上皮)が浮いて下と接着ができていないことです。そのため他院で点眼を数ヶ月続けていても治癒しない状態でした。
点眼麻酔で軽くその辺縁を処置して2週間後には右の写真のように綺麗になりました。