前十字靱帯断裂
前十字靱帯断裂
前十字靱帯の断裂は小動物臨床ではしばしば遭遇する重要な整形外科疾患の一つである。犬の最も一般的な原因の多くは脆弱した靱帯の変性と偶発的断列による。発症は年齢と共に上昇し、6~10歳の間に起こっている。
靭帯の断裂ですので、基本的には内科療法ではなく、外科的治療が基本となります。何十年も前から手術方法が研究されていますが、この術式なら絶対大丈夫というようなエビデンスが無いというのが現状です。
というのも、病状の差はもちろんのこと、犬種による特性や小型犬から大型犬までサイズもまちまちのため、ヒトのようにはいかないのでしょう。
膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂、半月板損傷などが併発していることもよくあり、いくつかの手術方法を組み合わせて行っています。
上の症例は、膝関節を開いたとところです。
中心の白いつるつるした部分が、膝の皿がのる部分で明からにくぼみが浅いのが分かります。更に、その下に、ちょろっと見えるのが、切れた前十字靭帯です。
この子は膝蓋骨脱臼から前十字靭帯の断裂を引き起こてしまいました。
従って、手術も膝蓋骨脱臼の手術と前十字靭帯の手術2つを行うこととなりました。
知り合いの先生から紹介いただいた、膝蓋骨脱臼から、前十字靱帯断裂を更に半月板の損傷も引き起こした症例です。