椎間板ヘルニアに似ている病気(変性性脊髄症)
変性性脊髄症
椎間板ヘルニアに症状が似た病気の一つとして「変性性脊髄症」という病気があります。その症状とは後肢のナックリング、麻痺、後肢が交差して歩くなど。
海外では大型犬(German shepherdやboxer、huskyなど)で報告されており、進行が早いとされています。しかし、日本での症例はほとんどがコーギーで、さらに進行が遅いです。
この病気は現在の所遺伝子に変化があるらしいが、生前の確定診断が難しく、根本的な治療法のない難病です。以下にグレード分けがあります。
グレード1;発症後6〜12ヶ月
見た目の症状は後肢(初期は片側その後両側)のナックリング、ふらつき、交差など。ケアの中心は肢端の保護。エビデンスははないが、積極的な運動をしている方が自力歩行が可能な期間が長いように思われる。
グレード2;発症後9〜18ヶ月
自力歩行不能な後肢の不全麻痺から完全麻痺。grade1の後期から徐々に後肢の筋力が低下。この頃から排泄の問題も頻繁に出現する。
グレード3;発症後14〜24ヶ月
後肢の完全麻痺と前肢の筋力低下が認められる。そのため腹臥位や横臥位の時間が増える。この頃から呼吸様式も腹式呼吸となる。grade2までは胸式呼吸だが、グレード3では外肋間筋の麻痺よる横隔膜の運動が大きくなることに起因する。
グレード4;発症後30〜36ヶ月
四肢の完全麻痺と脳幹症状がみられる。犬は常に横臥位で進行すると頭頸部の運動も消失してる。呼吸は完全に腹式で嚥下障害も観られることもある。
このように発症から3年以上生存が可能であるが、徐々に症状は進行していくので、ケアが非常に重要であります。