院長ブログ/2018-08-04
骨折備忘録として
獣医領域に本格的にロッキングプレートが導入されてきたのがこの5年ちょいほど。人ではかなり前から使用されていたが、使いたくてもサイズが合わない。やっと国内生産または海外から正式に認可が下りた器具がこの2-3年で増えました。
私も初期の頃は2.0mmのタイプを輸入して使用してました。それでも超がつく小型犬では大きすぎです。通常骨折部の横幅の1/3までのネジ幅が使用可能となりますが、1cmもある大型犬と3.5mmなんて極小幅の骨では同じ1/3幅でも強度も治癒速度も違います。
私が通常使用しているロッキングプレートはタイタンロック、LCP、pax、SOP 、ALPSを使用しています。
極論してしまえば、中型以上ならどれでも大丈夫なのですが、小型犬や超小型犬ではそうもいきません。材質がチタン(金属アレルギーを起こす可能性がほとんど無い、親和性が大きいなど利点が多い)かステンレスかで強度が全く違います。余談ですが、あるメーカーは海外で人で使用されるステンレス製のプレートを出している国と出していない国があります。基本はチタンですが、費用的な問題で安いステンレス製を卸している国があるようです。
強度が弱ければ厚みを増す必要があります。厚くなると皮膚を圧迫します。
ある程度は○kgの子には△mmのネジとか基準があるのですが、太ってる痩せてる、飛び跳ねるのか大人しいのか、折れている骨の場所や、若いのかとしなのか等々判断が必要でプレートの性能で使い分けが必要だと思っています。
特に2.5kg〜3kgの子はどれにするか考えます。
どうしてもロッキングプレートは費用がかかります。ピンとワイヤーなどに比べると雲泥の差になってしまいます。猫は犬に比べて骨質が薄いので骨折部によりますが治癒結果と費用対効果を考えるとピンとワイヤーを使用した方が良いような気がします(経験が長いから?)。5年後10年後は分かりませんが。
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