院長ブログ/2020-03
2020/3/9 (月)
猫の腹水(FIPではないです)
猫の腹水と言えば猫伝染性腹膜炎(FIP)が真っ先に上がると思います。
今回の症例は全く別の病気により腹水貯留を起こしていました。毎回500cc以上抜去できるほどでしたが、腹水の性状がFIP特有の粘調性の高い小麦色ではないということから(FIP検査中)、他の疾患を疑い試験開腹となりました。
知り合いの先生から頼まれて、そちらの病院にて開腹した状態です。
写真では分かりづらいですが、腸管にポツポツポツポツと無数に何かが出来ており、さらに腹膜にも結節病変が観察されます。
また膵臓は腫瘍病変により原型をとどめていない状態でした。
病理検査の結果は原発不明の腺癌ということでした。
ネットで「猫」「腹水」と検索すると「猫伝染性腹膜炎」ばかりヒットしますが、今回のように違う病気もありますので注意して下さい。